淡中 圏の脳髄(永遠に工事中)

このページについてフィードバック(感想・意見・リクエスト)を送る

でも便利より不便のほうがだいぶいい

孫悟空の頭のわっか

書庫に戻る

孫悟空の頭のわっか

 昔々、あるところの唐土から天竺の間に孫悟空と三蔵法師とその他がいました。孫悟空が悪いことをしようとすると、三蔵法師はお経を唱えます。すると途端に孫悟空の頭にはまった金の輪っかがきつくなり、あまりの痛さに孫悟空はもがき苦しみます。

 ところが、ある日孫悟空はその他の出したなぞなぞに頭を捻った拍子に、輪っかがスポンと抜けてしまいました。

 孫悟空は何が起こったか分かるや否や、文字通り飛び上がって喜びます。そして雲に飛び乗ると、悪さをしようと地平線の彼方に向けて飛んで行こうとします。

 その姿を見た三蔵法師は、何が起こったかを知らないまま、急いでお経を唱え始めました。

 孫悟空の耳にはそのお経が聞こえていましたが、もちろん締め付けてくる金の輪っかがないので、頭が割れるように痛くなることはありません。孫悟空はその事実に欣喜雀躍。しかし、次の瞬間、彼の心に疑惑が忍び込みます。

 痛くはないですけど、なんだか頭が重いのです。

 孫悟空は地上に降りて、川の水に自分の顔を写してみると、何と孫悟空の頭が異常に肥大しているではありませんか。

 孫悟空は勘違いしていましたが、実は三蔵法師のありがたいお経は輪っかを小さくするのではなく、孫悟空の頭を大きくしていたのです。

 歯止めのなくなった孫悟空の頭は、哀れそのまま破裂してしまいましたとさ。

 この話の教訓は、もしあなたが孫悟空で、三蔵法師がお経を唱えると頭が痛くなるようでしたら、頭の輪っかは外さないほうがいいかもしれないということです。

解説

もともとは「適当昔話 頭がパーン」というひどすぎる題名で発表した作品。

内容もひどい。

タグ

書庫に戻る